ACP[人生会議]
ACP[人生会議]
本人と家族、医療・ケアチームが、将来の医療およびケアについて、本人の価値観や人生の目標などをもとに話し合いを行い、本人の意思決定を支援するプロセスをACP(Advance Care Planning:アドバンス・ケア・プランニング)といいます。
ACPは別名「人生会議」とも呼ばれ、その人の人生全般について対応を検討することが目的です。
2024年12月25日の『退院前カンファレンス』が該当するならば、ⓢにとっての最初のACPとなります。
本人を含むACP(らしき会議)と言えば、介護サービスのメンバーで行う担当者会議くらいです。医療関係者同席での会議は行ったことはありません。
原三信病院へ入院してからは、藤木医師と家族(ⓝ)の間で『ⓢにとって最善と思われる方針』を検討・共有し、取り組んでいます。中野医師(泌尿器科入院担当医)・相川さん(MSW)・高橋さん(ST)・花野さん(栄養士)・迫田さん(PT)とも情報共有しています。
退院前カンファレンスで、奥村医師(訪問診療担当医)・村上さん(訪問看護管理者)同席のもと、情報共有しました。
ACPというよりは、医療関連の申し送りや緊急時の対応についての話し合いでしたが、これまでは『介護』だけだったチームに初めて『医療』メンバーが加わった会合でした。
おばーさまの場合
本人同席の場(伊東内科小児科医院)で、医師・ケアマネ・施設スタッフ・家族で ACP を行い、医師が用意した『同意文書』にパパがサインをしていました。パパ他界後はⓝが家族代表を引き継いで、更新ごとにサインをしていました。
LW[事前指示書]
LW[事前指示書]
自分自身が「受けたい」あるいは「受けたくない」延命のための医療(治療や処置)等について意思表示ができなくなった場合に備え、あらかじめ書面で自分の意思を示しておくものです。
ⓢの自書によるリビング・ウィルはありません。
看護クラーク博多筑紫(ReHOPE博多筑紫の訪問看護)が用意したリビング・ウィルシートに、2024年12月4日時点(ReHOPE博多筑紫契約時)の希望をⓝが記入したものは存在します。
- 「大切・大事にしたいこと」「気を付けてほしいこと」
- (提出空欄:追記可)
- 息苦しくなった時に希望すること
- □酸素吸入 ■麻薬を使用する □息苦しくても何もしない □気管切開 □NPPV(難病の場合適応となります)
- 自分で食べることがむずかしくなった時
- □点滴 ■自分の口から食べれるだけ □経鼻カテーテル □胃瘻(難病の場合適応となります)
- →抗生剤などはあり
- 自分でトイレに行くことがむずかしくなった時
- □手伝ってもらい排泄する(トイレ、ポータブルトイレ、尿器・便器) ■オムツを使用する □尿路カテーテルを留置する
- →状況で必要であれば[尿路カテーテル]使用あり
- 痛みがある時
- ■麻薬を使う □使わない
- 状態悪化時の対応=救急
※原疾患以外(例:店頭による頭部外傷や大出血等)が起こった際には、その都度医師に報告し、搬送の有無を検討させていただきます。
※救急車の選択により搬送先は決まります。- □希望する ■希望しない
- →基本希望しませんが骨折など状況により搬送もあり、その都度ご家族に確認。
本人署名:ⓢ/同意者署名:ⓝ/医療者署名:看護クラーク博多筑紫 看護管理者
ターミナルケア[終末期医療]
ターミナルケア[終末期医療]
人生の終末期に向け、残された時間を平穏に過ごし、身体的・精神的苦痛を取り除くための措置(医療・看護・ケア)のことです。
ⓢは「早くオトーサンのところへいきたい」と言っていました。
ⓝも「『痛い』『辛い』がないようにしてもらいたいけれど、延命治療は望まない」と意思表示しています。
藤木医師は、ⓢの症状に応じて『投薬治療』を行い、薬の開始や中止については都度ⓝへ相談・報告(インフォームド・コンセント)してくださいました。
薬の説明は、藤木医師と八ヶ代さん(薬剤師)から説明を受けていました。
訪問診療の奥村医師が、現在のⓢの主治医です。
レビー小体型認知症の治療に関する薬は、外来診療時に藤木医師に相談して決定し、奥村医師に処方してもらっています。
そのほかの薬については奥村医師に相談〜処方してもらい、看護クラーク博多筑紫(ReHOPE看護)に管理してもらっています。
薬はきらり薬局が都度セットしに来てくれます。
延命治療
延命治療
老化や病気により生命の維持が難しくなった患者など、治療しても回復する見込みがないと判断した時に行われる処置で、一時的に命を延ばすために行う「人口栄養」や「人口呼吸」などの医療行為のことです。
【人口栄養とは】病気などで口から食事を摂ることが難しい方や、誤嚥の危険性が高い方が栄養を補給するために行われる方法です。チューブやカテーテルを通して、胃や腸に直接栄養剤を注入します。
『経管栄養』は「しない」と意思表示しました。藤木医師も了承済みです。
【人口呼吸とは】病状の進行などで呼吸が困難になった時に、機械を使って人工的に呼吸を補助する方法です。長い管を口や鼻から気管まで通した後、管と人工呼吸器をつなぎ、肺に空気を送り込みます。
『DNAR』意思表示しています。
『人工呼吸器』の使用も望みません。
DNAR[蘇生措置拒否]
DNAR[蘇生措置拒否]
癌の末期、老衰、救命の可能性がない患者など、心停止や呼吸停止した際に、本人または家族の希望で心肺蘇生措置を行わない(試みない)ことをDNARといいます。
ⓢは「心肺蘇生措置を求めていません。」
ⓝも「心肺蘇生措置を行わない(試みない)こと」を希望します。
