相談Q&A

専団連専門職による『くらし・事業なんでも相談会』で相談してきたこと。

情報

情報

父から相続した不動産(マンション)の個人間(姉妹間)売買について相談。
士業の先生方に尋ねられた際、即答できるように準備。

物件

  • マンション@福岡市東区
  • 不動産番号:2914001143133

相続

  • 父購入:2018年10月12日
  • 父他界:2018年12月1日
  • 所有権移転:
      • 平成30年10月12日<第54377号>
      • 原因 平成30年10月12日<売買>
    • 長女
      • 令和1年5月17日<第28242号>
      • 原因 平成30年12月1日<相続>
  • 父他界時の相続税:ナシ

価格

  • 父購入価格(2018年10月)
    • 2,350万円
  • 東急リバブルの査定額(2025年5月)
  • 姉妹間売買予定額
    • 2,530万円

その他

  • 認識としては『相続人四姉妹の共有財産』であり、いずれ売却して換価分割する予定だった。
  • 売却する際を考慮して、便宜上『長女』の単独所有とした。
  • 他人ではなく相続人のうち『次女』が購入を希望。
  • 次女より『割賦契約(5〜6回/年払)』の希望あり。長女・三女・四女は了承。
  • 姉妹間・親族間の仲は良好。

固定資産税の課税明細書を持参。(使われなかったけど)


Q&A:売買価格・伴う税金

Q&A

売買価格・伴う税金

適正価格が知りたい。 2,530万円  を予定している。

q

(売主ⓝに)【贈与税】がかかるか?

a

市場価格の80%を下回ると贈与とみなされるが、予定額(2,530万円)では贈与税の対象にはならない

q

(売主ⓝに)【譲渡所得税】がかかるか?

a

市場価格(2,710万円〜)より安価な予定額(2,530万円)のため、利益が出たことにはならない=譲渡所得税の対象にはならないと判断されると思われる。

q

5〜6年(年1回)の割賦契約の予定だが、【金利】を設定しなくてもよいか?
(設定する場合の利率は?)

a

親族間かつ短期なので、長女・三女・四女が了承するならば金利を設定する必要はない

q

 2,530万円  は適正価格か?

a

長女・三女・四女が了承するならば問題ない

Q&A:支払方法・伴う税金

支払方法・伴う税金

支払額や分配金の送金について具体的に知りたい。

q

次女は長女に対して売却価格の3/4を支払えば良いのか?

a

売却価格全額(4/4)を支払わなければならない。その後、姉妹間で分割する…という流れが正式である。

q

長女が三女・四女に送金する分配金は、相続の換価分割であっても贈与になるのか?

a

一人当たり年間110万円以下ならば贈与税の対象にならないが、110万円以上ならば贈与税の対象になる

q

売買代金の支払方法が一括の場合と分割の場合で納税額に違いがあるのか?

a

分割払いでも、一括払いと全く同様に税金が発生する。

《参考:売買代金を分割払いにしたら税金はどうなる?

Q&A:契約・申告

契約・申告

q

父の相続でお世話になった司法書士さんに本件の契約書作成や登記手続きをお願いするつもりだが、今日ここでアドバイスしてもらった内容を  不動産売買契約書  に記載してもらえば良いか?

a

 不動産売買契約書  は司法書士さんや不動産業者の方に依頼されても良いですが、本件は姉妹間売買なのでネットでダウンロードしたテンプレートを利用してご自身で作成されてもかまいません。

q

支払方法については  不動産売買契約書  に記載?
それとも姉妹間で別途 “契約書” や “協議書” などを交わしたほうが良いのか?

a

わざわざ別の書類を作成する必要はない。先の  不動産売買契約書  のテンプレートに支払方法についての記載欄があればそこへ反映してもよいし、特記事項として追記することもできる。

q

申告は、いつ・誰がすれば良いのか?

a

翌年3月15日までに、売主(長女)が確定申告。


専門家からのアドバイス

専門家からのアドバイス

所有権移転原因の錯誤

所有権移転の登記原因(名義変更の理由)は、<売買><相続><財産分与>などはよく見聞きするけれど、<売買>以外でⓝからⓨへ移転できないものか…と相談してみました。

結論から言うとありました。が、以下の理由からその方法はとらないほうが良いとⓝは思っています。

まず、その方法とは “更正登記” という手続きです。 登記原因は<相続>のままで、所有権を「ⓝ単独所有」から「共有者ⓝⓨⓙⓐ・持分1/4ずつ」に登記し直す  というもので、その後、『持分売買』する(ⓝⓙⓐがⓨに売る)…という手段もあると助言がありました。(* “更正登記” 自体は1,000円でできるようです。)

しかし、法務局から「今さらなんで?」「持分売買したいんだな」と疑われるので、
  ★売買するまでに数年あけたほうがよい=すぐには売買できない 
とのことでした。さらに
  ★『更正登記』する場合は契約書や住民票などの準備が必要 
ということも帰宅後調べてわかりました。

これまで妹たちに手間(確定申告など)がかからないように工夫してきたのに、
  ★持分売買となるとⓙⓐが確定申告する必要がある 
ということにもなります。

というわけで、いろいろと面倒みたいなので、当初の予定どおり 『個人間売買』 で進めます。

《参考:登記の錯誤とは?誤った内容が登記されてしまったときに修正する方法
《参考:相続登記の「錯誤による所有権更正登記」の方法


専門家からの確認(懸念事項)

専門家からの確認(懸念事項)

分配金について

q

査定額(〜3,320万円)より安く売買価格(2,530万円)を予定されています。
第三者に売買すれば200万円ほど “取り分” を増やすこともできるわけですが、その差分について三女・四女さんは納得されていますか?

a

“儲け” はあまり気にしていません。他人に住まれるより身内に住んでもらえたほうが父も嬉しいだろうし、他の姉妹は購入の意志がないので、父が購入したときの価格と現在の市場価格の中間くらいが妥当だろうと姉妹間で合意しています。

割賦払い(支払期間が長くなる)ときの注意

q

分割払いも、無利息も、回数(年払5〜6回)も、親族間売買なので問題ありませんが、所有権移転のタイミングが気になります。契約時(今年)・完済後(5〜6年後)のどちらにするのか、もし契約時ならば『抵当権』を設定したり『強制執行認諾文言付公正証書』を作成したり…など、次女さんの支払が完了するまでの保険のようなものは検討されていますか?
期間が長くなると、支払が滞ったり、他の親族が出てきたり、どなたかが亡くなったり…など、ややこしいことになるケースが結構あります。後々のことまで考えられてください。

a

姉妹の仲は良好です。支払の完済についても信頼できます。ただ、先生方がおっしゃっている意味もわかりますので、姉妹にも確認し、司法書士の先生にも相談しようと思っています。


感想

感想

ビバ・無料相談会

今回、無料相談会で相談できて「とても良かった」です。

“無料” というのも助かったし、最初にやらかした(司法書士さんに質問することではないことをメールしてしまった)ように「誰に相談すべきか」もよくわからないし・わかったところで「個別に複数の専門家へ相談しなければならない」事案だったけれど、この相談会は『複数の士業の先生方へ同時に相談できる』という素晴らしい仕組みでした。

持ち時間は30分。予約時間の少し前に来るよう言われていたので20分くらい早めに到着しました。
受付で渡された[相談カード]に概要を記入し、指定されたブースで待っていると、相談内容に応じてアサインされた専門職の先生方が入って来られました。

向かって左から<税理士>・<弁護士>・<不動産鑑定士>さんたち3名が着席され、[相談カード]の記入内容に補足するカタチで相談(質問)を進めました。
都度、専門分野からの回答や助言があり、頭の中のモヤモヤが少しずつ晴れていく感覚。プロの一言一言は絶大な安心感がありました。

『くらし・事業なんでも相談会』は、年3回開催されているそうです。
悩みはナイに越したことはないけれど、急を要しない事案が発生してしまったときはまた利用したいと思います。そして、「専門家に相談し(てみ)たい」と悩んでいる人がいたら、この相談会のことをぜひ教えてあげようと思いました。

検討項目を605売買アジェンダにまとめます。本Q&Aはⓝの提案に反映します。
みんなで協議して、とっとと決めてしまいましょう!